注染

注染(ちゅうせん)とは、その名の通り染料を注ぎ、染める技法。
一度に50枚染めることのできるこの技法は明治時代に、大阪で生まれました。一枚の布をじゃばら状に重ね合わせて表からと裏からの二度染めていきますので裏表なくきれいに染まるのが特徴です。
また、注染には多くの工程があり、すべてを職人が手作業で行うのでひとつとして同じものは存在しません。職人の手作業だからこそ表現できる、繊細でやさしいぼかしやにじみの何ともいえない風合いが注染の一番の魅力といえます。

ジャバラ状に重ねることで、 いっぺんに50枚の手拭いを 染めることができます。

注染のアジ

日本の色

たとえば紫色ひとつとっても葡萄色に桔梗色、江戸紫と日本ではさまざまな色があり、名前や由来まであります。
そんなやんわりと少しずつトーンの違う和な色は、注染だからこそ表現できる、日本の色です。

ぼかし

同じ色の濃淡をグラデーションで表したり、わざとちがう色をぶつけあって、混ざりあって境界をぼかす。どんな色になるか、どんな感じになるかは染めてみないと分からず、また同じものは二度とできません。偶然生まれた未知な仕上がりこそが、注染ならではの醍醐味です。

にじみ

塗料や布、糊、染めの具合によっては、いわゆる「色ぎわ」のエッジがにじむときがあります。それがプリントのきっちりした感じと異なり、じんわりやさしいニュアンスになります。

注染の工程

  • 1. 糊置き(板場)

    白生地を糊台の上に敷き、木枠で型紙を固定した上から、防染糊を木へらでムラのないように伸ばしてこすりつけます。 糊が付けられた部分は、染料がしみ込んでいきません。それが終わると木枠を上げ、残りの生地を同じ長さだけ折り返し、 木型と枠を下ろし、また防染糊をこすりつけます。 この作業をてぬぐい約50枚分繰り返します。

  • 2. 注染(壺人)

    折り重なった布を染台に移し、必要のない部分に染料が流れないように、糊で土手を作ります。
    その中に”ドヒン”と呼ばれるじょうろで染料を注いでいきます。染料を均等に効率浸透させるために、減圧タンクを使います。下からポンプで吸引しながら注ぐため、 生地の目(隙間)をつぶすことなく、生地の柔らかな 肌触りを保ちつつ染め上がります。

  • 3. 水洗い(川)

    染めがひと通り終わると「川」と呼ばれる洗い場に向かいます。
    前工程の生地が重なり、くっついている状態の生地の、防染糊や余分な染料を洗い流します。

  • 4. 乾燥(伊達)

    生地を十分に水洗いした後、脱水機にかけ、色が変色しないように、すぐ乾燥させます。
    その昔は天日干しをしていましたが、天日状態を作った乾燥室で乾燥させます。乾燥を終えた布は繋がった状態なので、点検を兼ねて巻き上げ、 シワ取りをして、寸法にあわせてカットします。その後たたみの工程で 一枚ずつ検品し、商品となります。

費用やデザインのご相談は お気軽にご相談ください
お問い合わせフォームはこちら
  • スクリーンプリント

    顔料を使い、生地表面にプリントをする加工。
    注染と比較し、コストを抑え小ロット対応が可能です。

    特長
    • 100枚からの少量プリント可能
    • 注染にはできない細かいデザインなと対応が可能
    • 最大8色まで可能
    • 生地の端2cmは柄のプリント不可
  • ロール捺染

    顔料による生地表面へのプリント加工となります。
    5000枚以上の大きな数量対応を短納期で仕上げることができます。

    特長
    • 5000枚以上の大きなロット対応
    • 注染に比べ、細かなデザインなどが可能
    • 生地端まで柄のプリント可能
    • 最大4色まで
  • 企画・デザイン

    お客様の作りたい手ぬぐいをカタチにするために、まずはヒアリング。コミュニケーションをとりながらイメージを一緒に膨らませていきます。そして方向性が固まれば、技法にあったデザインへと進みます。企画・デザイナーはデザインすることはもちろんのこと、お客様と職人の間に入り想いが伝わる温かい手ぬぐいになるようお手伝いします 。

    特長
    • 注染、プリントそれぞれの特性を生かしたデザインを提案
    • ご要望に合わせて、様々なタッチを提案
    • 職人がそばにいるものづくりだからこそ、お客様のリクエストを一緒にご相談できます。
    • 手ぬぐいに特化した企画、デザイナーがいる
    • 手ぬぐいに加えて、パッケージのご相談もOK
    • 実店舗のノウハウも生かしながら手ぬぐい制作だけでなく、手ぬぐいの売り方などのご相談もOK
  • クレヤー染

    反応染料、硫化染料による白い反物生地を後染め加工により単色に染める、染色方法となります。
    単色に染めた生地の上から注染やスクリーンプリントにて柄を染色していきます。

    特長
    • デザインにあわせて地色を選定可能
    • 色ムラになりにくい
    • 堅牢度が高い
  • 注染型作成

    キャドシステムを利用したカッティングマシンによる
    注染の型作成を自社内で行っています。

    特長
    • イラストレーターでのデータ入稿により作成
    • 従来の手彫りに比べ短納期、費用を抑えられる

法被、風呂敷、
インクジェットなど、
手ぬぐい以外も
幅広く手がけています。

費用やデザインのご相談は お気軽にご相談ください
お問い合わせフォームはこちら

ご相談から納品まで 基本的な流れ

  • 01.
    お問い合わせフォーム・
    お電話・FAXにてお問い合わせください。
    オリジナル商品制作ご希望の方はまずはお気軽にお問合せください。
    制作物に応じて、作成方法やお見積りなどご提案させていただきます。
  • 02.
    お打ち合わせ・お見積もり
    制作物に応じて、デザイン、生地の種類や、本染めによる注染、またはプリントでの作成かパッケージなど具体的な内容をお打ち合わせさせていただきます。
    また事前に工場見学も可能です。
  • 03.
    ご提案 (企画・デザインの場合)
    使用用途やテーマに沿ってお客様のご要望をお聞きしてオリジナルのデザイン制作をさせていただきます。
    お持ち込みデザインの場合入稿データについてはAIデータでの入稿を推奨しておりますが、 手書きや実物などでも制作が可能です。(別途費用が発生)
  • 04.
    制作 制作期間の目安 30日〜40日
    入稿頂きましたデザインから型を作成、制作に進めていきます。制作時に工場での見学やお写真撮影も可能ですのでお気軽にお申し付けください。ご注文時に決定しました納品形態でお届けいたします。
    枚数や繁忙期により納期が通常時より日数がかかる場合がございます。
  • 05.
    納品
    お客さま指定の場所にご納品いたします。